1つのモノに2つの価値【不動産】~積算価値と収益価値~
さて、前回は1つのモノには2つの価値があるということをお話ししました。
- 積算価値
- 機能価値
でしたね。
同じことが、不動産でも言うことができます。
不動産の場合、
積算価値
⇒土地の値段と建物の値段の積算(合計)。
そのまま『積算価値』と呼びます。
機能価値
⇒投資家からみた不動産 の「機能」は家賃収益を効率よく得ること。
なので、機能価値のことを『収益価値』と呼びます。
収益価値についてもう少し説明しますと、
不動産を「投資」として考えた場合、投資した金額に対して、
年間どれほどの収益があるのか(=利回り)がとても重要な指標になります。
考え方としては、
不動産購入金額(¥) × 利回り(%) = 年間家賃収入(¥)・・・(※)
です。
ただ、その一方で、
年間家賃収入 = 戸数 × 各部屋の間取りに対する相場家賃 × 12か月
で先に決まるので、上の(※)式はむしろ、
年間家賃収入(¥) ÷ 利回り(%) = 不動産購入金額(¥)・・・(※※)
として使うことも多いです。
さらに、その不動産がある地域の平均的な利回りも調べれば大体わかりますので、
(※※)式から不動産購入金額を求めることができます。
これが、収益面から求めた不動産価値なので、収益価値となります。
絵にすると、こんな感じです。
★前回のパソコンの例
★今回の不動産の場合
不動産の面白いところは、この収益価値(=機能価値)がほかの商品と違い、
金額として明確に算出することができる点です。
私も勉強させていただいている石渡さんの本、
にて、石渡さんも、
同じ物件でも複数の評価方法により、異なった融資価格が出るのが、
不動産投資の面白いところです。私は学生時代、株式投資に専念していた
時期がありましたが、不動産投資にシフトしたのは、この異なる価格の
存在を知ったことが大きいです。(P157)
と書かれています。
ちょっと話は逸れますが、この本を読むと、20代、むしろ学生でも不動産投資はできんだと
いうことがよくわかります。
私も学生時代からやってればよかった!!
ここまでを改めてまとめますと、
- 不動産の「物理的なモノ」そのものの価値を算出したものが積算価値。
- 不動産を「キャッシュを生む機械」と考え、そのキャッシュを生む「能力」から不動産の価値を算出したものが収益価値。
ですね。
人間なら、
- 積算価値:人間に値段なんかつけられるわけねーだろ、プライスレス。
- 収益価値:年収400万円稼ぐサラリーマンなら400万円。
といったところでしょうか。
(不謹慎かな?笑)
この2つの価値(どちらも明確に¥が計算可能)があると、
どういうことが起こるのか?
これについて、再度石渡さんの本の文章をお借りすると、
ポイントは、積算価格の高い物件を収益価格で安く買い付け、
積算価格を重視する銀行に持ち込むということです。(P157)
例えば、売りに出ているある物件が
- 積算価値:1億円
- 収益価値:8000万円
だったとき、買うときには安い方(収益価値)を提示して
「この物件の収益価値は8000万円だから、8000万円で売ってくれ」
と交渉し、銀行から融資を引くときは高い方(積算価値)で、
「この物件の積算価値は1億円だから、1億円貸してくれ」
と交渉するということです。
そうすると、8000万円の不動産を買うために1億円を借りれるわけですから、
実質、自己資金は不要ということになります。
要は、相手に応じて、こちらの都合の良い価値(高い方か安い方)を選んで
交渉できるのです。
これ、超重要!!!
このあたりの、不動産の買付の入れ方についてはまた今度!!